頭のけがの処置
「頭をぶつけたけど血が出たから大丈夫だ。」
「血が出なかったから重症の可能性がある。」
このような迷信のような話がありますが間違いです。頭をぶつけて血が出なくても軽症のことはよくあります。
「ちょっと机の角にぶつけただけなのに、サッシに頭が当たっただけなのに血がしたたり落ちて止まらない・・・。」
頭のけがは、血管が多いので驚くほど出血することがあります。こうした場合、頭皮は割れたような傷になり、縫合処置を行う必要があります。局所麻酔をして縫合処置を行うこともあればホッチキスのように傷を寄せて出血を止めてしまう方法もあります。傷口がきれいならば洗髪も可能です。抜糸や抜鈎には1週間程度の期間が必要です。
一方で、ぶつけて血が出なかったけど時間が経過してから頭蓋内出血に進むことがあります。意識障害やけいれん、嘔吐、鼻や耳からの出血などがみられた場合はその疑いがありますが、MRIなどによる画像診断によって、比較的簡単に診断がつきます。
また、高齢者では受傷後に日数が経ってから(1~3ヶ月、時には1年)、歩行障害が出現したり、認知症と間違えるような症状が現れることがあります。MRIを行うと脳の表面に血が溜まっていることがあります(慢性硬膜下血腫)。
頭のけがをした人をみたら
頭のけがをした人をみたら、以下のような症状が見られる場合には、急いで救急車を呼びましょう。いずれにも当てはまらないようでしたら、慌てずに脳神経外科を受診してください。
- 意識がない
- 大きな傷や大量出血がある
- 容体がどんどん悪化している