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頭が痛い

頭が痛い

頭痛はありふれた症状ですが、思いのほか生活に支障をきたし、悩んでいる方も少なくありません。その頭痛、危険な頭痛かどうか診断し、最良の治療法を探していきましょう。

頭痛は大きく分けて2タイプ  危険な頭痛なのか、怖くない頭痛なのか

怖くない頭痛とは片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などで、頭痛自体が疾患である「一次性頭痛」(慢性頭痛)と呼ばれています。一方危険な頭痛として、くも膜下出血、脳出血、椎骨動脈解離、脳腫瘍、髄膜炎などがあります。
詳しく問診し、必要に応じてMRIによる検査をします。どちらの頭痛なのかをまず判断していきましょう。

片頭痛

脳の血管が、急に拡張することによって、「ズキンズキン」と脈打つような痛みが起こると考えられています。吐き気を伴うことも少なくありません。頭痛のサイクルがあり、一旦頭痛が始まると、痛みは数時間~数日間ほど続きます。仕事や就学に支障をきたすこともあります。頭痛がよくなると、台風一過のようにすっきりしますが数週間から数か月の周期で頭痛発作がぶりかえしてくることが多いです。

キーワード
  • 母親が頭痛持ち
  • 乗り物酔いしやすい
  • 光のぎらつき、縞模様に敏感
  • おう吐しやすい
  • 人込みが苦手
  • 女性ホルモンの内服
  • 週末や週明けに頭痛が起こりやすい
  • 直射日光をたくさん浴びた後
原因

原因には、疲労やストレスのほか、20~40代の女性に多くみられることから、女性ホルモンも関係すると言われています。症状が起こったら、暗くて静かな場所で安静にします。治療としては、トリプタン製剤などの内服が効果的です。月に15回以上の頭痛がある場合には慢性片頭痛に移行しやすいです。 小児期の片頭痛では前頭部や側頭部に痛みが起こり、両側に広がることもあります。 MRI検査では、中脳水道周囲灰白質に鉄沈着がみられることがあります。 気圧の低下によって引き起こされる片頭痛には漢方が効果的ともいわれています。

頭痛を起こす引き金(トリガー)
  1. 気候の変化 
  2. 睡眠過多・不足
  3. 騒音
  4. 強臭
  5. 明るい光
  6. ストレス
  7. 赤ワイン
  8. 人工甘味料
  9. グルタミン酸
  10. 硝酸塩
  11. 気圧の低下

緊張型頭痛 筋収縮性頭痛

「はちまきやヘアバンドで頭を圧迫されているようだ。」
「頭に金属の輪を嵌められたようだ。」
そんな、締め付けられる痛みが長時間続きます。肩や首の筋肉が凝って、その付近の血管が過度に収縮し、神経が刺激されることで痛みが生じます。
痛みは、後頭部から首筋を中心に、頭全体に広がります。精神的・身体的ストレスが誘因になりますので、ストレスの解消を心がけます。入浴、運動、マッサージなどは血管を拡張するため、このタイプの頭痛に効果的です。

代表的な症状:肩こり 

肩こりとは肩や首の後ろの筋肉が張ること。夏目漱石の小説の中で石のように凝っていたという表現から肩こりとよばれるようになったという説があります。
運動不足からくる血行不良はありませんか?同じ姿勢で長時間コンピュータと向き合っている、デスクワークばかり。肩こりになりやすい人の特徴です。
一方で女性ホルモンの変化をきたしやすい年齢のご婦人にも肩こりが多いといわれています。

群発頭痛

「痛いときはのたうちまわる。」
そんな頭痛発作があります。たばこを吸うアクティブな男性に多い頭痛です。
1~2ヶ月の間、毎日起きる頭痛で、目の後ろを通る頭の血管の拡張が痛みの原因と考えられています。目の奥をえぐられるような激しい痛みが1~2時間続きます。あまりの痛さにじっとしていられず、動き回ったり、転げ回ったりする人が少なくありません。患者数は比較的少ないのですが、働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。アルコールにより、頭痛が誘発されます。

キーワード
  • まぶたが下がる
  • 目(瞼裂)が細くなる
  • 結膜充血
  • 鼻水
  • 流涙
  • ひたいの汗
  • 落ち着かない耳閉感

薬剤の使用過多による頭痛

「頭痛の原因が薬の飲みすぎだった」なんてこともあります。
1か月に10日以上、鎮痛剤の内服をしている人が多いです。市販の鎮痛剤にはカフェインが入っているので“良く効く”と辺縁系に報酬の記憶を植え付けてしまい、ついつい鎮痛剤を服薬してしまうといった悪循環がおきてしまいます。
対応として①予防薬を上手に使う  ②鎮痛剤を一気に止めてしまうといった方法があります。そのほか、肥満やいびき、睡眠時無呼吸、ストレス軽減、カフェイン制限など医療の介入が可能な治療法をさがしていきましょう。

二次性頭痛について

副鼻腔炎

おでこのあたりの頭痛が続き、鎮痛剤が良く効きますがぶり返す頭痛の原因になります。
前かがみになると増強し、鼻水、鼻閉感があります。目の奥の痛みや前額に痛みが出現します。MRIで上顎洞など副鼻腔に液体貯留を認めます。

高血圧性脳症

頭痛、嘔気、おう吐、ひどくなるとけいれんや意識障害を引き起こします。血圧の異常な上昇が原因です。血圧が正常な人でも収縮期圧で160mmHg以上、拡張期圧で100mmHg以上続くと引き起こされることがあります。MRIで広範囲に脳浮腫の所見がみられます。入院加療が必要となることもありますので迅速な対応が大切です。

くも膜下出血

脳の血管が破裂し、脳の表面を覆うくも膜の下に広範囲に出血をきたします。主に脳動脈瘤の破裂によることが多く、いままで経験したことのない頭痛で発症することが多いです。出血の程度によっては意識障害や突然死の原因になることもある一方で頭痛のみで医療機関を受診し、MRIで診断が確定することもあります。程度にかかわらず突然の頭痛を自覚したら、脳神経外科を受診しましょう。

脳出血

高血圧が原因のことが多い病気です。頭痛以外に手足のしびれやめまい、しゃべりにくいといった症状を伴うことがあります。MRIで確定診断をつけます。

脳腫瘍

頭の内部にできた腫瘍が大きくなることで脳の神経を圧迫し、頭痛を引き起こします。脳腫瘍による頭痛は、突然起こることは少なく、数週間から数ヶ月かけてじわじわと痛みが強くなってきます。起床時に痛みが強いのが特徴です。頭全体か頭の一部で圧迫感や鈍い痛みが続き、手足のしびれや麻痺、言語障害、吐き気・嘔吐や手足のけいれんなどが現れることもあります。

髄膜炎

髄膜炎は脳や脊髄を覆っている髄膜が感染により炎症を起こします。後頚部の筋群が硬直したり、後頭部が痛んだりするなどの症状が出現します。意識障害やけいれんを引き起こすこともあります。嘔吐、高熱といった強い頭痛を伴う「細菌性髄膜炎」を発症すると、命にかかわるケースがありますので、要注意です。

動脈解離  椎骨動脈解離

突然の後頚部の痛みではじまり、くも膜下出血の頭痛と似ています。
主に頭の後ろの椎骨動脈と言われる動脈の血管の内部構造がはがれて急激な痛みが起きます。解離が進行すると脳梗塞や脳出血、くも膜下出血になり、緊急の対処が必要です。

低髄液圧症候群  髄液減少症

「横になっていれば和らぐのだけど起き上がると頭痛が増強してきて、日常生活にも支障をきたす。」
「横になってばかりいるので怠けているように見られてしまう。」
そんな頭痛です。脳脊髄液が漏出し、髄液圧が減少してくるためと考えられています。頭部MRIの造影検査を行い、硬膜増強効果が診断の根拠になります。脊椎のMRIで髄液漏出部位を調べます。

二次性頭痛が疑われる症状

以下のような頭痛が生じたら、二次性頭痛が疑われますので、早めに脳神経外科を受診してください。

  1. 突然の頭痛
  2. 今まで経験したことの無い頭痛
  3. いつもと様子の異なる頭痛
  4. 頻度と痛みの程度が増していく頭痛
  5. 50歳以降に初めて起こった頭痛
  6. しびれや麻痺、めまいやたちくらみ、けいれんなどを伴う頭痛
  7. がんや免疫不全などの病気をもつかたの頭痛
  8. 精神症状を有するかたの頭痛
  9. 発熱や首のこわばり、吐き気・嘔吐などを伴う頭痛
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